商品情報管理、共有におけるユーザーインタフェースの利便性について

2014年1月、1WorldSyncにおけるアジア・パシフィックのすべての事業は、旧SA2 Worldsyncの日本支店から、新たに設立した日本法人1WorldSyncJapan合同会社に移行しました。1WorldSync Japan合同会社は、これまで同様、イオングループのPIMの運用、サポート、GS1オーストラリアのサポート業務をはじめ、日本国内のサプライチェーン、B2C向けの商品情報の配信、管理を手助けする仕組みを日本市場向けに展開してく予定です。

日本法人としての初イベントとして、3月のRetail Tech Japan 2014に出展しました。準備期間の短さと経験不足で苦労しながらも、スタッフや協力会社の頑張りもあり、無事4日間の出展を終え、GDSNにおける最大のデータプールである1WorldSyncのプレゼンスや日本国内向けに提供予定のサービスを紹介することができたと思います。これから、1WorldSyncの新しいサービスやグローバル市場での経験が、日本やアジアの皆さんに役立てるように頑張っていきたいと思います。

さて、日本語ブログ記事1回目は、ユーザーインタフェースの話です。私は、1WorldSyncの前身であるWorldWide Retail Exchange (WWRE)や、Agentricsで、データ同期化ソリューションの担当コンサルタントとして10年以上在籍しました。経産省事業やGCIジャパンでの活動など、日本国内のGDSの取り組みだけでなく、香港やタイ、台湾、韓国などのGDS導入プロジェクトにも関わってきました。

GDSは商品情報共有の仕組みですから、当然ながら誰かがデータを入力する作業が必要になります。ここで欠かせないのがデータ入力のユーザーインタフェースです。

商品マスターデータを集める作業は、ある程度の人海戦術的な手作業を必要とします。多くの現場ユーザーは、日々の業務が少しでも楽になることを期待します。現状より面倒な業務が増える話だと、現場のユーザーに敬遠され、せっかくの大きなビジョンも台無しになってしまうかもしれません。実際、様々なパイロットプロジェクトを経験しながら、何度もユーザーインタフェースの使い勝手の改善を望む声を耳にしました。

WWRE時代、初期のGDSユーザーインタフェースは、お世辞にも使い勝手が良いとは言えませんでした。データの登録はフラットファイルのアップロードのみで、画面上での編集ができず、日本語化も不十分でした。Agentricsになってからも、購読依頼(Subscription)や同期化リストなど、管理用のUIは存在したものの、商品情報そのものを編集できる画面が用意されておらず、エクセルで作った入力テンプレートに依存していました。

経産省実験では、日本のパートナー企業にデータ入力用のユーザーインタフェースを用意してもらったのですが、入力項目が多すぎた上、繰り返し項目の入力は画面上では実現できませんでした。さらに、ケースや単品間の重量比較といった商品の階層間のエラーチェックができないなど、まだまだ性能は不十分なものでした。

2008年、AgentricsのGDS部門とドイツのSinfosの合併でSA2 Worldsyncが発足し、私は初めてドイツを訪問しました。当時のSinfosのシステムを初めて見せてもらったのですが、その時の驚きと興奮を今でもはっきりと覚えています。私がずっと欲しいと思っていた機能が、すでにSinfosのUIでは実装されていたからです。

日本のユーザーに満足してもらえるUIが存在しなかった頃、私はエクセルのVBAマクロを駆使し、エラーチェック機能を付けました。エラーの内容をコメントで表示する機能、まとめてレポートを出力する機能に加え、ユーザーの役割によって入力範囲を制限する機能、特定の条件により自動で値を入力するなど、様々な機能をつけて少しでもユーザーの負担を減らそうとしていました。

Sinfosのユーザーインタフェースは、これらの機能をすべて兼ね備えた理想のUIだったのです。具体的に、以下の問題が改善しました。

 

  • 不要な項目が多すぎてわかりづらい

○     ユーザーグループや業務ニーズに違うビューを設定することで、プログラムの変更なく簡単な設定だけでそれぞれ違う画面を表示できる

  • 入力エラーの修正作業が煩雑

○     リアルタイムバリデーションにより、入力と同時にエラーチェックが行われる

○     エラーがある箇所は赤い点ですぐに見つけることができ、マウスオーバーでエラー内容を確認できる

○     エラーメッセージをクリックすると、自動的にエラー箇所にジャンプできる

  • 項目の追加、レイアウトの変更の対応が困難

○     XML形式の設定ファイルを変えるだけで、プログラムの変更なく自動的に入力画面が表示される

  • 項目の定義がわかりづらい

○     項目設定時に最初からヘルプテキストを登録しておくことで、マウスオーバーで表示可能。また画面上の項目名称も、設定で簡単に変更可能

  • 単品、ケースなどの親子階層間のバリデーションができない 

○     階層間バリデーションは、アイテム間のリレーション情報に基づき、階層間の値比較、ユニーク有無など様々なチェックを実装できる

  • 繰り返し項目を画面上で表現できない

○     繰り返し項目グループをUI上で最大999回まで追加、コピーすることができる。繰り返し項目グループおけるキーとなる項目は、自動的にユニークチェックが行われる

  • マルチ言語項目を画面上でどう表現するか

○     言語コードと値の組み合わせを画面上で繰り返し入力できる

  • 公開先ごとに違う関係依存項目をどう表現するか

○     公開先GLNと値の組み合わせで、画面上で繰り返し入力できる

このSinfosのUI、実は現在のイオンPIMと同じPIMソフトウェアの旧バージョンで構築されていたのです。すぐに日本でこの仕組を導入することを考えました。当然、日本の顧客からは、このシステムが本当に日本の業務要件にすべて対応できるか、検証が必要との指摘を受けました。画面の日本語化はもちろん、日本独自の全角・半角文字のチェックや、複雑な取引関係を表すデータ構造、ワークフローの対応など、実証事件を通じてこれらの機能を検証しました。結果、十分実用に耐えうると評価され、2011年にイオングループ向け商品情報管理UIとして、正式に採用され、2012年から本番システムを稼働し、多くの現場ユーザーに使っていただくまでに至りました。

本番稼働後も、ドイツの開発者の協力のもと、日本市場向けの様々な新機能を日本のスタッフ主動で構築し、多くのノウハウを蓄積することができました。

現場ユーザーからの機能改善要望は今も常に届いています。さらに使いやすいユーザーインタフェースを提供のために、ユーザーの目線に立って地道な努力を続けていきたいと考えています。

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